このQ&Aコーナーは趣味レベル範囲で作成しています。
レザークラフトは、無数の答えが存在するモノであります。
それは作家さんごとに持っている考えや技術、使用している革や道具や環境がバラバラだからだと思います。
だからここにある回答はひとつの参考になればと考えています。
また下記 記載内容について予告なく修正・改変することがあります。
いかなる場合も当方は一切責任を負いません。自己責任でのご利用をお願いします。
よくあるレザークラフト疑問の一覧
- レザークラフトを楽しめる?
- 静音ツール紹介
- 革の疑問
- タンニンとクロム鞣しの見分け方
- おススメの革は?
- 安い革について
- 道具の疑問
- セット販売している道具について
- 安い道具について
- 高い道具について
- 菱目打ちはいる?
- 道具の違い
- CMCとトコノールの違い
- 菱目打ちと菱錐
- ストレート状の菱錐とテーパー状の菱錐
- 革包丁とカッターナイフ
- 菱目打ちとヨーロッパ目打ち
- ディバイダーとステッチンググルーバー
- 木工ボンドとサイノビール
- 水性とアルコール染料
- 柔らかい革への疑問
- ヘリ落としが難しい
- コバ処理について
- 縫い糸への疑問
- どんな糸を使えばいい?
- 縫い糸の太さは?
- ビニモMBTのおススメの色は?
- 麻糸と化学繊維の糸について
- ロウ引きする理由
- ロウの種類
- 縫製関係の疑問
- 縫い目がガタガタ・バラバラで汚い
- 縫い穴の数が調整できない
- 手縫い針について
- 穴あけ関係の疑問
- 穴あけのライン
- 1番いい穴あけの方法は?
- どの位穴をあける?
- 表裏で穴が歪んだり、大きさが違う
- まっすぐに穴をあける方法
- 重なり部分の穴がずれる
- コーナー部分の穴あけ
- 菱目打ちの歯数
- 刃の手入れ(研ぎ方)
- 接着処理の疑問
- 接着剤と両面テープ
- コバ処理の疑問
- コバ処理を一言で言うと
- コバ処理で大事なのは
- 張り合わせ部分の境界ライン
- コバ処理の手順
- コバのやすり掛け
- コバ処理の薬品について
- 自作ツール系の疑問
- 静音菱目打ち
- ハンドプレス
- コバ磨き用ルーターとビット
- 裁断系の疑問
- 綺麗に切れない
革の疑問
- タンニン鞣しとクロム鞣しの見分け方
- ブランド品の革ならタンニン鞣しとかクロム鞣しと表記したりしてわかるのですが、よくわからない革の場合、匂いや断面や触り心地で確証するのは難しいと思います。
クロム鞣しの場合はタンニンを含んでいないので磨くコバ処理ができないはずですが購入するまでできません。。。
しかもクロム鞣し後、脱クロムしタンニン添加した混合なめしの場合は磨くコバ処理やエージングなども楽しめるので もうわけわかんなくなります。
従って確実に確認する方法としては、製造元やお店に確認するのが1番の方法になります。
まぁエルメスとかでもクロム鞣しの革を使っていたりするので 変な先入観はなく良い革を見つけるのが一番だと思います。
両者の違いは「タンニン鞣しとクロム鞣しの違い」で解説しています。
- おススメの革は?
- 好みや予算がイロイロありますからねぇ~。難しい問題です。
国産から海外製品まで種類やブランドはたくさんありすぎます。
もちろん私もすべて見たり使った事がないのでわかりませんし全ての革を取り扱っているお店自体ないです。 だからおススメの革は一言では言えません。
ただレザークラフト(個人)に人気な革は存在します。 そんな「一度は使ってみたい革」で一覧紹介していますので参考にしてみて下さい。 - 安い革について
- モノには相場があります。
利用する革の品質によって、作品仕上がりや作業労力が大きく影響します。いい革は見た目はもちろん、コバ処理などもしやすいので 満足度が高くなる傾向があります。
近年レザークラフト用の革の価格も上昇してきましたが、激安品に表面上の傷とかだけでなく、革がカスカス、繊維が不均一すぎるなど扱いづらいなどそれなりの理由があるので注意しましょう。
あとクロム鞣しの革、銀面のない床革を勘違いして購入されるケースもあります。
でも安いバングラデシュ産のヌメ革が気になります。イデアルで販売しています。
道具の疑問
- セット販売している道具について
- 私は海外、ノーブランド、格安のセット販売には懐疑的な考えです。
写真で見た感じは同じでも 使ってみたら値段相応で作品作りに影響する部分があります。
←オークションで割安品と買った菱目打ちがなぜか真ん中の1本が曲がってしまいました。。。
でもやっぱり 個別に揃えるのはめんどくさいという方は 大手メーカー品のセットを選ぶとよいと思います。
特に革もセットになったモノだと作品作りにエネルギーを注げるのでいいですね♪
道具の違い
- CMCとトコノール
- どちらも床面・コバの仕上剤ですが、トコノールにはワックス成分が含まれています。コストは断然CMCの方が安い。
- 菱目打ちと菱錐
- 教本は菱目打ちが多いが、綺麗な縫い目に拘る派は菱錐の利用に移行?!
私も菱錐派です。その理由は「菱錐について」で紹介中 - ストレート状の菱錐とテーパー状の菱錐
- ストレートは刃先側と根元側の太さが同じ、テーパーは根元にいくほど太くなる錐。
ストレートはどれだけ深く刺してもできる穴の大きさは同じ。テーパーは刺し込む深さにより穴の大きさが変わる。
ひとつの錐で大きさを変化させられるのは魅力だが一定の大きさの穴をあけるには技術が必要なので上級者向き - 革包丁とカッターナイフ
- 切れ味以上に刃の手入れ方法が大きく異なります。革包丁を購入すると砥石セットと研ぐ技術を習得しないと革包丁を使えません。これにはお金も時間もかかるので、まず初心者にはカッターナイフをおススメします。ポキッと折るだけで切れ味が復活しますからね♪もちろんオルファ(OLFA) 別たちもおススメです。
- 菱目打ちとヨーロッパ目打ち
- 主流は菱目打ちですが、斜めのステッチ縫い目のこだわりでヨーロッパ目打ちも人気があります。菱目打ちとは穴の形状だけでなくピッチ間隔も変わってきます。ブランド品のヨーロッパ目打ちは高価なモノが多いです。
- ディバイダーとステッチンググルーバー
- ディバイダーはコンパスのような形で線をひく。ステッチンググルーバーは革を大きく削ってラインを作る。
水性は水で薄めることができるけどアルコール染料はうすめ液が販売されています。
集合住宅者の疑問
- レザークラフトを楽しめる?
- 問題なく楽しめます。
集合住宅で真夜中でもレザークラフトできます。
もちろんクォリティーなど犠牲にはしていません。
趣味から販売できるような作品作りレベルまで対応しています。
詳しくは「騒音の原因と対策一覧」で紹介 - 静音ツールの紹介
- もちろん使う人の考えや事情にも影響されますが、惑わされないでいいものを選べば想像以上に安くつきます。
菱目打ちの重要度はグッと下がります。
詳しくは「騒音の原因と対策一覧」をご参考下さい。
柔らかい革への疑問
- へり落としが難しい
- ヘリ落としをする前に刃先をしっかり研いでおくと同時に、革を定規や下敷き等で押さえてたわみをなくす。
へり処理はCMCやトコノールをつけて布で力を入れずに高速ですり上げるとヘリ落とししたような仕上げにする事ができる。
何にせよ力をいれて革が伸びないように注意する事。
- コバ処理について
- まずハギレ等でテストをお勧めする。
難しそうなら顔料塗料やヘリ返し等も考える事なども
通常の手順はこちらを参考
※力を入れる事は厳禁!革が伸びてたわみます!
縫い糸の疑問
- どんな糸をえばいい?
- レザークラフト用の縫い糸の種類(一覧)を見て下さい。
想像以上にたくさんの糸があると思います。
国内のよく目にするモノから珍しい海外製の糸など使う人のこだわりが大きく影響されます。
おすすめは国内で主流?なのが初心者からプロまで利用している「ビニモMBT」
コストパフォーマンスが非常に高く実用的です。
近くのお店に売ってることは少ないと思うのでネットで購入して下さい♪
→ 詳しいビニモMBTの解説
- 縫い糸の太さは?
-
まず知っておきたい事は メーカーによって太さの表記が違います。
「細・中・太」や、「0番1番5番8番」、「16/5,20/3,30/3」や「mm(ミリメートル)」表示などがあります。
海外ならもう少し癖のある表記のモノもありますし、これらを一括り簡単に比べる事は容易ではありせん。
そしてレザークラフトを趣味にするなら 作品に合わせていくつかのサイズが欲しいのが正直な所です。
選ぶ糸の問題もありますし、一言で言えないんですよね。。。
ただ定番?人気の太さ(糸)もあるのも事実です。
そのあたり下記解説が参考になります。
→「手縫い糸の太さについて」
→「イロイロな糸の太さ(一覧)」 - ビニモMBTのおススメの色は?
- ビニモMBTは最大92色展開しています。
欲しい色がドンドン増えて困るくらいです♪
その中でも人気、定番の色はこちらで紹介しています。 - 麻糸と化学繊維の糸について
-
作品に合わせて選びたいですよね♪
主流はどちらかというのではなく革と糸の組み合わせで考えたいです。
両者の違いなどを「麻糸と化学繊維の糸」で詳しく紹介しています。 - ロウ引きする理由
-
- 糸の毛羽立ちを抑える
- 糸自体の締まりは良くなる
- 糸のゆるみを防止する
- 針や糸の滑りが良くなる
- 糸の強度を高める
- 見栄えがよくなる
- ロウの種類
-
- パラフィン
- 松脂(マツヤニ)
- 蜜蝋(ミツロウ)
縫製関係の疑問
- 縫い目がガタガタ・バラバラで汚い
- イロイロな問題が組み合わさっている可能性があります。
大きく3つ
- 縫い穴が不均一(大きさ・間隔)
- 表面と裏面の穴の不均一
- 縫製の手順が不均一
均一にするというのが言葉では簡単ですが実作業では難しいです。
→「きれいな縫い目を作る為にできること」で詳しく解説 - 縫い穴の数が調整できない
- 菱目打ちの場合は革をホンの少し革を伸び縮みさせてまず目印をつける。縫い穴数の調整がうまくいきそうなら伸ばしたり縮みするように力を革に食わせながら穴をあける。もちろん気持ち程度ですよ♪
革がヘロヘロになる位伸ばしてしまったら後戻りできませんよ♪
菱錐の場合は穴の調整はしやすいですね♪ コーナーや角部分ではバランスを考えて 穴あけするだけなので比較的簡単に調整する事ができると思います。
- 手縫い針について
- レザークラフト用の針が売っていますが、普通の針でもサイズがあい、刃先を丸めれば使えます。
だから
ミシン用の針の刃先を丸めて使っている人も多いです。K
長さを短く削って自分用にカスタマイズもできます。
※針を短く削れば楽になる部分が多々あります。
曲がり針も自分で曲げれば・・・
手縫いレザークラフトの場合 下穴が重要なので針はシンプルに考えればよいと思う。
※針の加工は最大の注意が必要です。自己責任でお願いします。
穴あけ関係の疑問
周りではディバイダーを使用する人が多いです。
※ディバイダーの刃先の形状も好みにあわせて仕立てる必要があります。
菱目打ちを使ってラインをひく人もいますね♪アイデア次第で他にもありそう♪
- 1番いい穴あけの方法は?
- 穴を開ける場所や、考え方や技術により異なります。
種類として- 菱目打ち
- 菱目パンチ
- 菱錐
個人的には菱錐が一番良かったです。
菱錐の利用法ですが、菱目打ちで軽く打って下穴位置をつけて、菱錐で貫通させるか、菱錐の穴あけマークのある型紙を利用する方法があります。
もっと詳しく→「菱錐について」 - どの位穴をあける?
- 表面と裏面が同じの大きさの穴を開ける必要はない。
菱目打ちで薄めの革をあける場合は先っぽが少しでる位。
部厚い革をあける時は菱目打ちで軽く穴をあけ、その後に菱錐で穴をあけます。
菱目打ちだけで穴をあけると穴が広がってしまうからです。
先端から根元までサイズが同じ菱錐の場合は気にしないで貫通させれば綺麗な穴をあけられるので便利です♪ - 表裏で穴が歪んだり、大きさが違う
- 原因は1つだけでなく多岐に亘る問題です。
道具・姿勢と持ち方に大きく2つに分ける事ができます。
道具ですが、 刃先が先端から根本まで広がる太さが一定でない刃物だと、当然刺し込み深さにより穴の開く大きさが違います。
穴の歪みは 革や穴を開ける環境が、完全均一でない場合、歪みやすい要因がある方に穴は歪んでしまうという現実がある。
クラフト社の「菱ギリ プロ用」はどんどん先端から太くなっているので表面と裏面の大きさが変わるのは当たり前。
隣の穴と同じ大きさにするには差し込み深さを一定にする必要がある。
※刃にマスキングテープなど目印をして一定の深さで穴を開けられるようにすればいいと思います。
他にも、
同じよう、均一に見えているけど、
微妙な刃先の状態(切れやすい、切れにくい)により穴の開き方が変わってくる。
革の組成や繊維の状態で穴の開き方が変わってくる。
接合部分の状態、革の接着剤や両面テープの状態により変わってくる。
もちろん、
道具の持ち方でまっすぐ開けれない。
枚数により分厚ければ1枚ずつ穴を開けるなど工夫が必要です。 - まっすぐに穴をあける方法
- 菱目打ち(刃物)の持ち方や姿勢も大切、下のマットも大切、革の繊維や枚数も大切。分厚ければ少しの歪みも表裏で大きな差が生じる原因になる。
微妙な刃先の状態(切れやすい、切れにくい)により穴があく進行方向にひずみが生じて斜めになる場合もある。
下のマットが柔らかい場合、菱目打ちなど刃物を革に入れた時、革がたわむので表面と裏面の穴位置がずれる。 - 重なり部分の穴がずれる
- 道具も大切、持ち方や姿勢も大切、下のマットも大切、革の繊維や枚数も大切。分厚ければ少しの歪みも表裏で大きな差が生じる原因になる。
- コーナー部分の穴あけ
- 菱目打ちの場合は2本目を利用して穴あけします。
ただ綺麗な縫い目にしたいと考えると刃先の角度をどうするか迷いますよね。。。
コーナーの入りからコーナー出口の直線にかけての微妙な角度。
もちろんコーナーの角度によって変えていく必要があります♪
私も勉強中の身で菱錐向けですが、コーナー部分の練習シートがありますので参考にして 理想の縫い目にできるように研究して頂ければと思います。
→ 菱錐用コーナー部分の練習シート - 菱目打ちの刃数
- 少ない多いの長短がそれぞれあります。
多いのは作業効率よくずれにくいが叩く力が必要だし高くて刃の手入れが大変。
刃が多いのはホントに研ぐ事ができるのか気になります。。。
少ないと作業効率は下がるが叩く力は少なくて済みます。
ちなみに歯数が多いけど安い菱目打ちはピッチ間隔(刃先と刃先)にバラつきがあるモノもあるようです。
製造側からしたら公差内かも知れませんが 綺麗な縫い目を求めるクラフターにとって大きな問題になりますので購入時には注意してください。
だからいい目打ちは値段もそれなりになってくるのですが。。。。 - 縫い穴が見にくい
- 革の種類によってはしっかり穴をあけたと思ってもあけた穴が見にくい時もあります。
そんな時は明るいライトで照らし光の通りを見たり、影を見つけたりする事もできます。他には穴が開くであろう個所にまず銀ペンなどを縫っておいてから穴をあけると分かりやすい場合があります。
接着処理
- 接着剤と両面テープ
- 特にファスナー取り付け時に多くの教本でも分かれるところ。
両面テープの方が良さそうと思ったけれど強度がイマイチで途中で剥がれたり、針が通しにくかったりデメリットが目立ってしまった。
性能のいい両面テープは高いし、必要な幅と両面テープの幅の問題もある。 接着剤の方は定番のゴムのリやGクリアなど性能と価格的には有利だと思う。 個人的には接着剤の方がおススメである。
- コバ処理の手順
- 経験値や考え方、道具により正解がない問題になります。
できるだけ多くのパターン紹介したいと思います。
コバ処理
- コバ処理を一言で言うと
- 繊維を凝縮し固め、ワックスなどで艶だしをする。
- コバ処理で大事なのは
- ①革、②技術(裁断、接着、磨き)③道具
天然素材の(安い)革ほど 革の組成が異なり繊維の状態=つまり品質が均一でない。
この事がコバ処理のバラつきに影響すると考えている。
コバ処理しやすい=きれいな所と、しにくい=きれいでない所。
だから色や艶のバラつきが生じてしまう。 - 張り合わせ部分の境界ライン
- 接着剤の層が見える事によるラインと思われます。原因は接着剤の量。接着剤を小分けするなどして薄めしようしたり、できるだけ薄く塗る事で目立ちにくくさせる事が重要
Gボンドやサイノビールでも接着剤の濃度が異なるバージョンを販売しているので参考に。
ゴムのリなら接着剤用溶剤で薄めましょう♪
できるだけ多くのパターンを集めてみました。
牛革が海外ならコバ処理剤も海外製?など考えた時期もありました。
自作ツール系
裁断系
- 綺麗に切れない
- 道具・技術・環境の問題
原因は多岐にわたり、できる事から少しずつ試していきましょう。
まず姿勢
切断する線をまっすぐ見れる位置に移動。目線もまっすぐ。あせらず慎重に
横向きの切断はずれが生じてもわかりにくい。
直線を切る時は刃を寝かせて、R部分は刃をたてるイメージ。
R部分はR定規やコインなどを使って何回かに分けて切断するか、手を動かすのではなく革の方を動かして切断するようにしましょう♪(Rを切る時用の小さくて回しやすいカッターマットがあれば便利)
道具の選定
カッターナイフ、別たち、革包丁なんでもいいですが、手入れはしていますか?
刃先の状態が大切です。
環境の問題
けがき線ははっきりわかりますか?明るいLED下で作業しましょう♪
けがき線は鮮明ですか?銀ペンとかは太いので慎重に。丸錐とかでけがく方がいいかも。
作業台の歪みや異物、カッターマットが柔らかすぎるとかないですか?
その他
革に力をかけていませんか?簡単に伸びたり、縮んだりする革があります。まず荒たち=だいたい大まかに切断しその後で精度よく切断するようにしましょう。