ここでは菱錐の仕立て方を紹介します。
自分好みにの形にし 日々の研ぎが大切です。
道具の手入れが縫い目の仕上がりに直結します♪
※関係するリスク管理はご自身でお願いします。
もしレザークラフトを趣味で続けると考えているならば 是非一度安い錐を購入して自分で研いでみましょう。
持ち手も削ったり、滑り止めテープや 角度がわかるようなマーキングをしたりしてオリジナリティーを高めればレザークラフト熱も更に高まると思います♪
菱錐(Diamond Awl)を理想の形に
刃先の形は 縫い目=作品の仕上がりに直結する大事なモノです。
イロイロなやり方があると思いますが 気に入っている方法を紹介します。
勉強中の身ですが、こんなやり方もあるんだと参考になればと思います。
まずは刃先の形のイメージを確認。
今の状態から仕立てていきたい理想の形があると思います。最終的には革にどんな縫い穴ができ縫い目になるかが大事です♪
ちなみに 切れる場所ってどこ?という方は 「鋭角の2つが切る部分」を確認してから研ぎ始めるようにしてくださいね♪
■主要な目の形

私の好きな形は斜めの形がカッコよくなる縫い目がきれいな ③の「菱目+丸み」の楕円形です。考え方や好みがあるのでどれが正解とは言えないでしょうが、どの形が人気なんでしょうか?プロ職人さんと素人では違うのかな?!気になります♪
↓は某職人さんの錐の先端です。カッコイイ!
先端はピンピンに尖るのではなく丸くなっているのがいい♪
以下はこの形を目指した刃先の研ぎ方について調べた事などを紹介しています。
■菱錐を仕立てる時の心構え
- 刃先の形を大事にする。
- 左右・上下対象を意識する
- 表面と裏面が同じ形の穴があくようにする。
- 深く刺しても穴が大きくならないようにする。
- 先端は尖らせないでいい。浅くても穴があけれるように
- 鋭角の2つが切る部分で、鈍角部分は穴を広げる部分
- 仕立て、研ぎ方の心構え
- 最終的に必ず鏡面仕上げ(ピカピカ)にする事
※刺さりも抜けも滑らかになります。 - 思ったよりも削れやすいです
- 使い捨ての耐水ペーパーとピカールは便利
- 押す時ではなく、引くときに研ぐ
- 錐は面積が小さく研ぎやすいので研ぎすぎに注意
- 研ぐ部分をマジックで色塗りすると研いだ、研いでない個所が分かりやすい
- 刃で革が切断できる位に研ぐ
- ヌッと刺して穴があく位に研ぐ
■用意したいモノ
■菱錐の仕立て方がわかりやすい動画
■パート1
■パート2
上記動画からのキャプチャ画像を紹介
▼最終目標の形は菱目から楕円
▼尖った先端をカットするところ。
※カットが飛ばないよう気をつけて♪
※食い切りがなければ削ってもいい。
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私好みに菱錐を研ぎました

おおまかに形をつくり、最終的に耐水ペーパーにピカールをつけて仕上げるのがお気に入りです。キレが一気に良くなります♪

革包丁と違って錐は研ぐ面積が少なく研ぎやすいので意外と簡単じゃないかなぁーとか思っています♪

ちなみに真ん中が協進エルさんの菱錐(細)で、左が某職人の錐、右が安井商店で買った800円位の菱錐を研いだものです。
下の写真が実際にこの3本であけた縫い穴ですが、自分で研いだ菱錐であけた穴が一番気に入っています♪どれか分かります?!

[答え]上から私が研いだ錐であけた縫い穴、協進エルの菱錐(細)、某職人さんの錐の穴(幅1.8mm)です。
大事なポイント
錐を研ぐときにどの部分が刃になるか知っていますか?闇雲に刃先を研ぐと形状が変わるだけでなく、刃がなくなれば研ぐ前よりも切れなくなります。
刃を作る事をイメージし研ぎましょう。

刃を作る場所は鋭角の部分です。鈍角の部分は穴を広げる部分で形に影響します。
下の写真の左の菱錐の鈍角には角がありますが 右の錐の鈍角は角を削って丸くしています。

お金のない私の研ぎ方
実は最近 砥石を使わないで菱錐を研いでいます。
有名処の1000番3000番6000番とかの砥石って高くないですか?
これを数種類集めると結構な金額になってしまいます。
(反対に極端に安い砥石は品質面を疑ってしまいます)
また砥石は高い他に使用前後に手入れやメンテも必要ですし、角っこが危ないので置き場所も必要です。
もちろん革包丁を研ぐには砥石はいいと思いますが、ずぼらな私は耐水ペーパーとピカールを使って菱錐を研ぐようになりました。
耐水ペーパーは安くて番数もイロイロあるし、ピカールは粒子が細かい研磨剤なので両方組合せば効果的です。
■耐水ペーパーで研いで使ってみた感想
プロの方は別として私の感覚ですが、充分満足できるレベルまで研ぐことができました。
菱錐は包丁と違って研ぐ面積が小さい事、プロと違って使用頻度も少なく大きく削ったりする必要ないので耐水ペーパーで充分だと思います。
他にあるメリットは
※事前準備、作業後の手入れがない
砥石で研ぐっていうカッコよさはありませんが。。。
良いことづくめに思えます。
■注意点
■便利技
番数の高い耐水ペーパーの上にピカールをのせて研ぐといい感じです
※刃先の形状を変える時は100均のやすりか砥石である程度の形を作り いくつかの番数(400,600,1000,1500,2000)の耐水ペーパーを順に使い途中からピカールも使い仕上げます(入手しづらい3000,5000,7000番とかは使ったことないです。)
刃先の確認は虫眼鏡や光にあてた時の影や実際に穴をあけたり紙を切ったりして確認しています。
最終は床革などにピカールをのせて数回研げばいい感じになると思います。簡単なので普段の作業前とか作業後に軽くするのもいいと思います。
菱目打ちなんかもこの方法で軽くお手入れすればいいと思います。頑張って研いだりすると菱目の形が変わったりしますから・・・でも6本目の菱目をお手入れする場合、1本目の6倍 気をつかう必要があるんですよ・・・大変・・・
そう考えるとやっぱり菱錐派になるかな?!
■細かい話
研磨剤の粒子の大きさですが、青砥は5μ、ピカールは3μでピカールの方が小さい粒子です。個人的にはきれいな鏡面仕上げにできるピカールをよく使うので小分けして使っています♪
ちなみにどちらも耐水ペーパー2000番よりも目が細かい代物です。
【菱錐に関連するページ紹介】

- 錐の特徴…メリット・デメリットなど
- 菱錐で穴をあける…きれいな縫い目の為のポイント
- 理想の菱錐に仕立てる…好きな形に
- 菱錐の一覧…イロイロあります
- 菱錐練習シート(直線)…PDFで無料提供
- 菱錐練習シート(コーナー部)…PDFで無料提供
- 静音マシンから菱錐派へ…菱錐派になるまでの思い出